資格取得はWebマーケティング業界の転職でまったく役に立ちません
Webマーケティング業界への転職を検討している人のなかには、まずWebマーケティング系の資格を取得してそれから面接に臨もうと考えている人もいるかもしれません。
資格があれば知識やスキルが証明できるので面接に有利に働くかもしれないとお考えの方もいると思いますが、Webマーケティングの業界で数年仕事をしていて採用や面接を担当している人間から言わせると【資格なんて合否にまったく関係ないし必要ない】です。
そこで本日はマーケティング業界界隈の資格にはどんなものがあるか見てみながら、資格なんて必要ないよねということと、資格以外でどうやってアピールするべきかという点について考えてみます。
どんなマーケティング系資格があるか調べてみた
Webマーケティングの資格について関心がある人も多いようで、ネットで詳しく解説している記事もみかけます。各所で紹介されている資格のなかでまだまともそうな資格について順番にみてみます。
ウェブ解析士
Webマーケティング系の資格として代表的な資格にウェブ解析士資格があります。ウェブ解析士一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が運営する民間資格であり、ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターという3つのレベルの資格があります。Webマーケティング業界のなかでは知名度のある資格ですが、受験者数は年間6,000名程度にとどまっています。
ウェブ解析士
https://www.waca.associates/jp/wac/about/
ウェブマーケティング、ウェブ解析に関する以下の基礎知識を習得、共通の用語認識の基に、営業・制作・開発・社内ウェブマスター業務等の遂行・業務効率化を可能にすることを目指します。
・ウェブマーケティング、ウェブ解析を行う上で必要な用語(定義~使い方)
・アクセス解析から得られる情報の認識・分析方法・計算方法(用途に応じた適切な利用)
・ウェブ解析による課題の発見方法と改善手段(事業成果に繋がる解析の考え方)
公式サイトをみてみると合格率は60%程度となっていますので、少し勉強していれば全員受かるくらいの難易度でしょうか。
上級ウェブ解析士
https://www.waca.associates/jp/wac/about/
ウェブマーケティング、ウェブ解析に関する以下の応用知識を習得、データの正しい認識(読み取り)の基に、クライアント及び社内経営陣(上長)説明・説得、新しい取り組み施策等以下の事業の成果に繋げる提案(コンサルティング)及び提案スキル向上(提案内容の付加価値化)を可能にすることを目指します。
・KPI(重要業績評価指標)の設定とウェブマーケティング計画の設計・立案(事業目的に対して適切な計画)
・時系列分析のセオリー、ウェブ解析の基準値、業務設計(業務効率化による事業収益化促進)
・分析結果のコメント・アドバイス方法(課題抽出と改善策、事業成果に繋げる提案ポイント)
上級ウェブ解析士の合格率はウェブ解析士よりも高い約80%となっています。上級ウェブ解析士を受験する人のほとんどは試験用の勉強や対策をしているはずですので、こちらも勉強すれば受かるという点で難易度は高くなさそうです。
ウェブ解析士マスター
https://www.waca.associates/jp/wac/about/
ウェブマーケティング、ウェブ解析(講座・資格制度)に関する教育研修のためのスキル(技能・技術)と知識(講座開設から資格認定まで)を習得、自らが講師として独自に講義を開設し、教育機関(大学・専門学校、職業訓練校等)や企業(出張・社内研修等)で認定講座の講義と指導を行うことを可能にすることを目指します。
・ウェブ解析士・上級ウェブ解析士認定講座開設
・講座集客のためのセミナー開設
・ウェブ解析士・上級ウェブ解析士の指導
ウェブ解析士マスターになると急に難易度が上がり、合格率は約20%となります。合格率の低い難関資格のような気もしますが、受験者は年間10人程度ですので難易度の参考にはなりません。
GAIQ
Webマーケティングに関わる仕事では、Googleアナリティクスにお世話になる人がほとんどです。GoogleアナリティクスとはWebサイトやアプリの訪問者やアクセスを解析するツールのことです。
GAIQとはそのGoogleアナリティクス個人認定資格のことで、Googleアナリティクスの習熟度を測定する資格となっています。試験はネットで受けることが可能で、テスト用のトレーニングも試験自体もGoogle社が実施しています。
参考:Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)について
Webマーケティング業界で働く人の大多数が業務でGoogleアナリティクスを利用しますが、Googleアナリティクスに関する資格に入社前に合格することに意味があるかは微妙です。GAIQではGoogleアナリティクスの「知識」は付きますが、実際に活用ができるかとは別の話です。日常的にGoogleアナリティクスを利用している人でも準備なしで受験すると合格できない人も多いはずです。
ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定とは株式会社サーティファイが主催する民間資格です。特定の分野に特化せず、システムや法務などのWebマーケティングの広い分野が対象となっていることが特徴です。
合格までの学習時間目安は15時間、合格率は約70%となっており、難易度はかなり低いものとなっています。受験者数は累計で5,500人程度となっています。15時間の学習時間で取得できる資格には知識量を測るための効果としてはなさそうです。
その他の資格も調べてみましたがまともなものは多くなかったので割愛します。
資格は転職活動にプラスにもマイナスにも働く
代表的な資格をいくつか紹介してみました。たしかにこれらを面談前や入社前に取得するメリットも一部ではあるのかもしれません。資格の取得がプラスに働く可能性としては、
・本当にこの業界に関心があるんだなという印象
・(資格を取得するような)真面目な性格なんだなという印象
を履歴書をみた人や面接官に与えることがあげられます。
しかし反対に資格の取得がマイナスの影響を与えるといった可能性もあります。面接官に「まずは資格から入る慎重な性格なんだ」「資格が役に立つかどうかリサーチできないのか」といった印象を与えることがあるからです。資格と言っても弁護士資格や医師免許のように業務を独占できる資格ではありませんし、資格を持っていることが採用条件になるということもありません。
なぜWebマーケティング資格は役に立たないのか?
弁護士は弁護士資格がないと業務ができません。証券営業をするには外務員資格が必要で、医師免許がないと医療行為はできません。一方でマーケティングやWebマーケティングといった職種においては、取得しなければ業務ができないような資格は存在しません。
資格があれば仕事になるわけではありません。FP資格を取得しても適切なファイナンシャルプランニングはできませんし、生命保険一般課程試験に合格しても適切な保険提案ができるわけではないのは当然です。「試験の合格に必要な知識を覚えているか」と「実際の業務に使えるか」は大きすぎる隔たりがあります。
本当に資格に必要な知識が実務の役に立つのであれば業界各社が社員に受験させそうなものですが、全社的になにかしらの資格を受験するというようなことは多くありません。転職時に資格を取得することは「業界に関心があるよ」というアピールくらいにはなるかもしれません。
アピールになるのは資格より実績
他業界や未経験業界への転職であれば、転職活動を少しでも有利に進めるために資格をとって置くことが役に立つかもと考えるのはわかります。しかし資格の取得には準備や勉強、受験も含めると数十時間を必要とするでしょう。当たり前ですがそもそも短時間で取得できる資格に価値はありません。
数十時間かけて資格に合格したのに、面接に有利に働かないって悲しすぎますよね、、、Webマーケティング業界への転職を有利に進めるため時間をかけるのであれば資格ではなく実績を作ってしまうことをおすすめします。これはかなり強力な武器になります。
ブログで月間1万PVとってみる
多少時間がかかるかもしれませんが、「ブログを書いて月に1万PVとりました」というのは業界への関心やスキルの基礎力があることの証明となります。WordPressで一からサイトを立てるようなことは時間がかかるので、テンプレートを利用したりはてなブログの無料プランなどで十分です。初心者でもターゲット選定とスキルによっては半年程度で達成できるくらいの難易度です。
そもそも簡単に1万PVがとれたら、転職しなくてもそれを本業にすればいいかもしれませんね。
アフィリエイトで稼いでみる
ブログでPVを書くことからひとつレベルアップしてアフィリエイトで少額でも稼いでいるという実績はさらに強力です。Webマーケティング会社で実際に働いている人間でもできない人も多く存在するはずです。月に3万のアフィリエイト収入があるだけでも、Webマーケティング業界の上位30%に入れるのではないでしょうか。
Twitterで1,000フォロワー
Twitterなど個人のSNS活用に寛容な会社かという問題はありますが、半年で1,000フォロワー獲得を達成するのは資格の獲得よりもはるかに効果があるのではないでしょうか。
1,000フォロワー以上を獲得しようとすると、アカウントのキャラクターやポジションを設定したりツイート内容を考える必要があります。フォロワーを獲得するために考えた戦略やどのようにそれを実行したか?を説明できればマーケティング感覚が優れていると評価されるはずです。
インスタで5,000フォロワー
インスタを伸ばすのは時間がかかるのであまりおすすめしませんが、すでに趣味でやっているアカウントがあればそれを伸ばすのもいいかもしれません。
SNSに関してはTwitterやインスタでなくてもYouTubeやTikTokでもいいんですけどね。ポイントはやってたら自然とフォロワーが集まりましたではなく、こんなターゲットにこんなコンテンツを届ければウケるんじゃないかと仮説を立ててみたというようなそれっぽい話をすることです。
SNSでもブログでも自分の好きなジャンルとメディアを選択するのがおすすめです。
まとめ
実際に入社する前にマーケティングやWebマーケティングに関する資格を取得することは非常に効率が悪く、合格率を上げるような効果もあまり期待できません。資格をとるくらいであれば、SNSアカウントのフォロワーを伸ばしたり、ネットで少しでも稼いでみたほうが能力を証明できます。
ただ実績があると面接や選考に有利だというのは当然なのですが、これらの実績がなくてもまったく問題ありません。むしろこんな実績はないのが普通ですので安心してください。面接でどんな志望動機を話せばいいのかについてはこちらの記事でも書いてみました。
企業がどのような人物を求めているのか?どのような候補者が通りやすいのか?をその企業に詳しいエージェントから情報収集をしておくと効率よい転職活動ができるでしょう。情報なしで片っ端から応募してみるのもいいのですが、未経験でも積極的に採用している企業を優先的に受けてみるのが賢い転職活動です。
転職を考え始めたらまず最初にすることは転職エージェントの登録です。履歴書や職務経歴書の作成はエージェントと進めるのが効率的です。
ちなみに大手の転職エージェントであれば案件数や紹介先企業にそこまで大きな違いはありません。重要なことはどの会社を使うかよりもどのエージェントがつくかです。まずは規模の大きなエージェント、その他希望業界に特化したエージェントと若手なら若年層特化のエージェントなど自分に合いそうなエージェントに3つくらいに登録しておけば担当による失敗は避けられるはずです。
リクルートエージェント
過去の実績と求人数ではリクルートキャリアがNo.1です。各エージェント個人の企業への推薦力や転職者のサポートといった総合的な営業力もリクルートキャリアの強みです。エージェントの数も多いため希望業界に適したエージェントがつく可能性が高いことも選ばれている理由です。とりあえず登録しておくエージェント。
⇒リクルートエージェントを詳しく見るマイナビエージェント
こちらも業界最大手マイナビのエージェント部門です。マイナビは特に東京・神奈川・埼玉・千葉の関東エリアの優良企業求人に強みを持っています。全業界を網羅しているので、まだ業種や業界が決まっていない人でも使い勝手がいいです。
DODAエージェント
DODAも全国規模で展開しているエージェントです。DODAには取り扱っている求人の80%以上がサイト上に公開されていない非公開求人という特徴があります。リクナビ・マイナビに並ぶエージェント大手ですので、このなかから好みで1〜2社に登録しておけばよいでしょう。
⇒DODAエージェントを詳しく見る第二新卒エージェントneo
第二新卒エージェントneoは人材大手のネオキャリアによって運営されている、第二新卒やフリーターからの転職に強みを持つ転職エージェントです。また既卒・中退・高卒・中卒・早期離職など学歴不問で就業支援をしています。
運営会社であるネオキャリアのスタッフも第二新卒者が9割となっていることもあり、10代・20代のえらぶ「就職転職満足度」「面接対策満足度」「就職転職相談しやすさ」でNo.1を獲得しているサービスです。
ウズキャリ
ウズキャリは既卒・第二新卒専門「就活サポートカンパニー」株式会社UZUZによって運営されている第二新卒、既卒に加え就職浪人、大学中退、フリーター、ニートといった幅広い属性の求職者に対応できるエージェントです。
手厚いサポートによって書類通過率87%を超えており、ウズキャリで就職活動を行った方の83%以上が1社以上の内定を獲得しているという実績もあります。
マイナビジョブ20’s
『マイナビジョブ20’s(トゥエンティーズ)』は、20代に特化した20代・第二新卒・既卒向け転職エージェントです。全求人が20代を対象としており未経験OK求人が50%以上と、20代の転職と内定に特化したマイナビ唯一のエージェントです。
拠点は新宿・名古屋・大阪の3箇所にあるので、条件の合う人はぜひ活用したいエージェントです。
⇒マイナビジョブ20’sを詳しく見る↓この記事を読んだ人にはこちらもおすすめ↓