Webマーケティング職の年収相場と決まり方の実態【本当に高収入?】

2019年4月25日転職・採用・働き方

Webマーケティング業界への転職を検討している方の中には「実際の年収はどれくらいなのか?」「今後業界として給料は上がるのか?」が気になる方も多いと思います。本日はWebマーケティング業界の年収相場と収入や給与がどうやって決まるのか?またどうすれば年収アップでの転職が可能か?などを考えてみました。

Webマーケティング職の年収相場

まず最初にWebマーケティング職の年収の相場はどれくらいなのかを確認してみましょう。

Webマーケティング職はIT分野のなかでは営業やマーケティング職に分類されます。経済産業省が作成している「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によれば、営業やマーケティング職の平均収入は他職種と比較すると特段高いわけでも低いわけでもなさそうです。Webマーケティング職の相場としては優秀なプログラマーよりは上がりにくく、一般的なエンジニアよりは高いといった具合でしょうか。

職種別の年収平均とスキル標準レベル
参考:「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」

転職サイトを使って年収相場を確認してみた

給与の相場を確認するために募集要項を確認したいだけなのでどの転職サイトでもよかったのですが、今回は「doda」でWebマーケティング周辺でどのくらいの数の募集がどのくらいの年収で存在するのか調べてみました。

検索条件を、雇用形態:正社員、勤務地:東京都、年収:400万円以上、Webマーケティング関連とすると、約400件の募集が見つかりました。年収を300万で検索しても500万で検索しても募集の数にあまり変化がないので、募集要項の年収の部分かなり幅をもって設定されているものだと考えられます。

転職サイトの年収の部分はあまり参考にならなかったのですが、Webマーケティング職の未経験であればスキルや過去の実績、現在の収入も考慮しながら年収350万~500万円、経験者の中途採用であれば相場をみながら400万~700万程度というのが一般的ではないでしょうか。

⇒リクルートエージェントを詳しく見る

⇒マイナビエージェントを詳しく見る

⇒DODAエージェントを詳しく見る

年収と年齢はあまり関係ない

数十年前であれば「都市銀行で働く40代男性なら年収○○万」、「大手食品メーカーの30代は○○万」などといったある程度の指標があったのかもしれません。しかし現在はそのように年齢に比例して収入が増えていくような年功序列の時代でもありませんし、業界内で給与の基準が一律というわけではありません。

転職した場合の年収を予想する

Webマーケティングの業界で実際に1,2年働いていれば自分が行っている仕事内容のレベルを理解できるようになりますし、同業他社や業界構造の理解ができるようになります。そうなれば自分の収入が妥当であるのか?転職したらどれくらいの年収になるのか?といったことも予想しやすくなると思います。

しかし未経験や他業界からの転職の場合にはなかなか想像がつきませんし、新卒に至っては入社時に年収を交渉するという文化がありません。したがって未経験での転職においては基本的に提示された金額を受け入れるしかありません。それでもざっくり年収の幅を出すとすれば、未経験のWebマーケティング職の収入として一般的なのは月25万~35万程度、年収では350万~500万程度いうのが業界や転職サイトにおける相場となっています。

年収は企業のフェーズに左右される

Yahoo!のような大企業やメルカリのようなメガベンチャーであれば、一般社員1人分の給与は誤差の範囲かもしれません。しかし少人数のスタートアップやベンチャーにそのようなお金の余裕はありませんし、無駄な給与はできるだけ支払いたくありません。そうすると企業のサイズが小さくなったり余裕がないほど、給与を払いすぎることを避けるためにスタート時の給与はできるだけ抑えたいという心理が働きます。

最近ではスタートアップや零細企業も優秀な人材を確保するために相場より多めの給与を支払う企業が増えています。それでも中小企業や零細企業が「成果や結果が出れば給与や待遇は柔軟に対応するから最初は抑えてほしい」と考えるのも当然です。ベンチャーやスタートアップへの転職を考える方に知っておいてほしいことを『ベンチャー/スタートアップへの転職戦略と登録すべき転職サイトを分析』でまとめています。

転職した際の自分の年収を予想する手段としておすすめの方法2点です

手法1.MIIDASの年収予想サービス

転職アプリミイダス| あなたの市場価値を見いだす転職サービス

ミイダスは自分の情報を入力しておくと、自分に適した求人が送られてくるという転職サービスです。またミイダスの機能のひとつとして、希望する職種や自分の情報、経験を入力すると過去のデータや相場から「現在の市場価値」(年収予想)を算出するというものがあります。

もちろん入力情報だけで信頼できる計算が可能なわけではありません。またミイダスは転職サービスなので、転職を促す必要があります。そういった理由から年収は高く算出されますが、参考程度には活用できるかもしれません。

↓ミイダスの市場価値診断↓

手法2.エージェントの提示金額のなかで低い年収を基準にする

手間はかかりますが手法1よりももう少し精度の高い方法です。それは「複数の転職エージェントにどのくらいの年収で転職が可能そうなのかを質問して、そのなかで一番低い金額を参考にする」というものです。毎日企業の募集要項と転職者の紹介を行っている転職エージェントは転職や年収の相場は熟知しています。

しかし転職エージェントも商売ですので、当然ですが自社や自分を使って転職をしてもらわなければなりません。そうすると「このエージェントはよさそう!」と思ってもらうために、面談では想定年収を高く伝えるということが起こります。これはどのエージェントでも起こることですので、3~5社のエージェントに年収を予想してもらって提示されたなかで一番低い金額が実際に転職した際の年収であると考えると失敗が少なさそうです。

あなたの年収はどうやって決まるのか?

入社後には仕事内容や成果に応じて対価が支払われるべきです。また、自身の生活や理想とする人生のために収入を増やしていく必要があるかもしれません。それでは次にどうすると年収が上がるのか、年収は年収はどう決まるのかについて検討します。

あなたがどのくらいの価値を生むか?

基本的に給与というのは、その人がどのくらいの価値を生むのか?によって決まります。あなたの働きがどれだけの売上や利益に貢献するかということです。価値を生む希少なスキルには相応の対価が支払われます。

ここで重要なことは、同じスキルや能力でも買い手によって価格は異なるということです。同じスキルでも企業Aは1,000万を提示するが企業Bでは700万ということが当たり前に起こります。ある人が機械学習の高度なプログラミングスキルを持っていたとして、Googleはそれを2,000万/年で買う(採用する)かもしれませんが、国内のwebマーケティング会社は500万/年でも買わないでしょう。転職活動においては、「自分はどのような価値を提供できるのか?」と同時に「転職先の企業がどのようなスキルを欲しているのか?」を見極める必要があります。

会社が儲かっているのか?ビジネスモデルは?

給与や年収の決定要因として個人のスキルや能力ももちろん影響はあるのですが、実際にはどの業界におけるどの企業かのほうが重要です。これは例を出すまでもなく、金融業界の平均給与と美容師の平均給与のどちらが高いのかを考えてみればわかります。

また仮に同じスキルや能力を持っていたとしても、どの企業に所属するのかによって収入は大きく変わります。同じネット広告代理店という業種でも、例えば国内最大手のサイバーエージェントと10人でやっている零細広告代理店では年収に数百万の差があるでしょう。

転職で年収を上げるために必要なこと

Webマーケティング職に関わらず収入を増やすためには、「会社内で年収を増やす」か「年収の高い企業に移る」のどちらかになります。(独立や起業といった選択肢も一応あります。)会社のなかで収入を増やすというのは、その企業の評価制度や人件費への配分といった要因に依存することが多いため、ここでは転職の際にどのように年収を上げるかといった点を考えてみます。

実績やクレジットを意識して仕事をする

他業界からWebマーケティング業界への転職といった場合には、過去の実績や経験は採用可否の判断材料になります。しかしそれによって年収を伸ばす交渉を行うのはなかなか難しそうです。

一方で同業界や近い業界での転職においては過去の実績が威力を発揮します。採用する側の企業の興味は「この人を採用するとうちにどんなメリットがあってどのくらい価値に貢献するのか?」だけです。ということは面談では「こういうことができるので、こういう貢献ができる」ということを伝える必要があります。「こういうことができる」というのを説明するためには実績が有効で、「このクライアントの売上をこうした」とか「この企業の広告費予算を○○まで増やした」のような結果とそこまでに至った経緯や困難、工夫を理解してもらう必要があります。

ただ漫然と仕事をこなしていても作業が早くなるだけで転職時にプラスに働くポイントは多くありません。普段から「成果を出すこと」と「成果を説明すること」を意識すると転職の際に非常にスムーズになります。

また資格の取得もほとんど意味がないのではないかということを『webマーケティングの資格なんてまったく転職の役に立たないよ笑』で書きました。

複数の転職エージェントを利用する

転職時に活用する転職エージェントについては信頼できそうとか面倒とかで判断せずに、複数のエージェントを活用して最も自分を高く売ってくれる会社を利用するべきです。最初から転職と企業判断の軸に「年収」があることを伝えた上で相談を進めていきましょう。

(番外編)Webマーケティングで独立/フリーランス

自分の持っているスキルや生み出す成果と価値に自身があるのであればフリーランスや独立も選択肢になるかもしれません。特にwebマーケティングやデジタルマーケティングの業界で稼ぐことを目的にするのであればほぼ独立するしか選択肢はありません。大手企業で高給を得る難易度の高さなどについて『Webマーケティングで稼ぎたいなら出世を目指すよりスキルを身につけて独立が正解』で考えてみました。

Webマーケティング業界の年収に関するまとめ

今回はWebマーケティング業界の年収について考えてみました。転職を検討する方に知っておいてほしい点を3点まとめます。

転職サイトの平均年収や相場はあてにならない

転職サイトの年収欄を確認しても「300万〜500万」のような募集要項が多く見られます。またWebマーケティングといっても広告運用や営業、インサイドセールス、ディレクター、バックオフィスと仕事内容は多岐に渡るので平均の収入や相場をつかむことが非常に困難です。他業界と比較すると高めの水準ではありますが、サラリーマンで1,000万円以上稼ぐ人の割合は金融業界やコンサルティング業界ほど高くはありません。

未経験で飛び込むのも悪くない業界

Webマーケティングという業界は未経験で転職をするのに適している業界ではないでしょうか。なぜかと言うと、今後業界として急に縮小することはあまり考えられませんし市場は確実に拡大します。とりあえず入社して広告や検索、ソーシャルといった広い範囲に触れながら、その中で自分が感心を持てるジャンルに特化したりメーカーなどの事業会社の中の担当者になるといったようなキャリアも可能です。そういった意味で新卒で入社する業界としてもかなりおすすめできるということをこちらの記事でも書いています。

成果が評価されやすい業界

webマーケティングの業界は、他の業種と比較すると成果が評価されやすい世界です。成果を出せるのであればそれに十分見合った報酬や待遇を得ることができますし、もしそれが叶わなければ個人でビジネスを行うことも比較的容易です。SEOやアフィリエイトの知識があれば自分でサイト運営をすることができますし、SNS運用で成果を出せるのであれば企業のアカウント運用を請け負ってもいいかもしれません。特定の会社でのみ価値のあるスキルではなく、どこでも価値があるスキルを積みやすい業界であると言えます。

転職を始めてもすぐに決まることはありません。転職の可能性を考えているのであれば、早めに複数のエージェントから情報を仕入れておくことが最善なのではないでしょうか。

転職を考え始めたらまず最初にすることは転職エージェントの登録です。履歴書や職務経歴書の作成はエージェントと進めるのが効率的です。

ちなみに大手の転職エージェントであれば案件数や紹介先企業にそこまで大きな違いはありません。重要なことはどの会社を使うかよりもどのエージェントがつくかです。まずは規模の大きなエージェント、その他希望業界に特化したエージェントと若手なら若年層特化のエージェントなど自分に合いそうなエージェントに3つくらいに登録しておけば担当による失敗は避けられるはずです。

リクルートエージェント

過去の実績と求人数ではリクルートキャリアがNo.1です。各エージェント個人の企業への推薦力や転職者のサポートといった総合的な営業力もリクルートキャリアの強みです。エージェントの数も多いため希望業界に適したエージェントがつく可能性が高いことも選ばれている理由です。とりあえず登録しておくエージェント。

⇒リクルートエージェントを詳しく見る

マイナビエージェント

こちらも業界最大手マイナビのエージェント部門です。マイナビは特に東京・神奈川・埼玉・千葉の関東エリアの優良企業求人に強みを持っています。全業界を網羅しているので、まだ業種や業界が決まっていない人でも使い勝手がいいです。

⇒マイナビエージェントを詳しく見る

DODAエージェント

DODAも全国規模で展開しているエージェントです。DODAには取り扱っている求人の80%以上がサイト上に公開されていない非公開求人という特徴があります。リクナビ・マイナビに並ぶエージェント大手ですので、このなかから好みで1〜2社に登録しておけばよいでしょう。

⇒DODAエージェントを詳しく見る

第二新卒エージェントneo

第二新卒エージェントneoは人材大手のネオキャリアによって運営されている、第二新卒やフリーターからの転職に強みを持つ転職エージェントです。また既卒・中退・高卒・中卒・早期離職など学歴不問で就業支援をしています。

運営会社であるネオキャリアのスタッフも第二新卒者が9割となっていることもあり、10代・20代のえらぶ「就職転職満足度」「面接対策満足度」「就職転職相談しやすさ」でNo.1を獲得しているサービスです。

⇒第二新卒エージェントneoを詳しく見る

ウズキャリ

ウズキャリは既卒・第二新卒専門「就活サポートカンパニー」株式会社UZUZによって運営されている第二新卒、既卒に加え就職浪人、大学中退、フリーター、ニートといった幅広い属性の求職者に対応できるエージェントです。

手厚いサポートによって書類通過率87%を超えており、ウズキャリで就職活動を行った方の83%以上が1社以上の内定を獲得しているという実績もあります。

⇒ウズキャリを詳しく見る

マイナビジョブ20’s

『マイナビジョブ20’s(トゥエンティーズ)』は、20代に特化した20代・第二新卒・既卒向け転職エージェントです。全求人が20代を対象としており未経験OK求人が50%以上と、20代の転職と内定に特化したマイナビ唯一のエージェントです。

拠点は新宿・名古屋・大阪の3箇所にあるので、条件の合う人はぜひ活用したいエージェントです。

⇒マイナビジョブ20’sを詳しく見る

↓この記事を読んだ人にかこちらもおすすめ↓

2019年4月25日転職・採用・働き方