ハードワークの経験だけが仕事を効率化する
『捨てる。手を抜く。考えない。』は著者の須田仁之氏が孫社長を始めとした天才的なハードワーカーとの仕事のなかで、普通の人がどのように結果を出すのか?についてまとめた本です。
著者はソフトバンクグループからベンチャーの上場に携わりその後は40以上のスタートアップの社外役員やアドバイザーを務めるベンチャー成功請負人でもあります。
自らの経験を振り返ると仕事を早くするためには最終的に捨てること、手を抜くこと、考えないことの3点に行き着きました。この本では仕事術のテクニックとして53のポイントを紹介しています。
いつでも論理と正論が正しいわけではない
「人が動くためにはは納得感がないといけない」という話があったりします。論理的に考えても自分の行っていることは正しいと認識することは行動を促進させそうです。
しかし世の中を知れば知るほど論理的には納得できないものが多くなっていきます。「会社は顧客のためと言っているが、不要なサービスを売らなければいけない」「このクライアントは他社のサービスを導入したほうがいいかも」「こんなにリスクのある選択をとらなくてもいいのに」みたいなことは普通に起こります。
「論理的に考えて」というのはあなたが考えた論理的であって、人それぞれに論理的な考えが存在します。それについて議論したり納得感がないから動けないやる気が出ないみたいなことを言ってたらなにも進まないわけです。
矛盾を受け入れるのが重要なことは人生や家庭も同じです。言っていることがそのときどきで変わるのは当然ですし、「普通に考えて」「論理的に考えて」みたいな正論が効力を持たないことは往々にして起こりえます。仕事でも家族でも矛盾を受け入れる力を身に着けないと生きにくそうです。
ハードワークだけが仕事を効率化する
この本でも「社畜から抜け出した」みたいな論調で仕事を効率化するポイントが書かれているのですが、効率化テクニックで仕事が早くなったのではなくて、ハードワークによって仕事が効率化されたなのではないでしょうか。
もちろん同じ長時間労働でも意味のあるものと意味のないものがあるのですが、どちらにせよ最初は判断できないので自分と上長を信じるしかないですね。
毎日暇だけど定時にならないと帰れないという環境であれば、おそらく仕事が効率化されることはないでしょう。仕事を早く終わらせる動機や理由が唯一の仕事効率化に必要なことなので、「仕事が終わらなくて帰れない」「納期が迫っているけどどうにかしなきゃいけない」みたいな環境によってのみ仕事の効率が上がる気がします。
終わらないという諦め
「時間をかけて100点をとるより80点でも早いほうがいい」と言われがちです。これは0から80にするのと80を100にするのには同じくらい時間がかかるのに、後者にはあまり意味がないからです。
しかし80点でいいから終わらせることが重要というのは、日本で教育を受けてきた人がすぐに対応するのは難しいのかもしれません。テストに回答し終わったら何回も見直ししなさいという教育されたり、重箱の隅を突くように間違いを指摘されたりと、時間をかけて完璧なものを作りなさいという指導がされているからです。
未完成でもいいから終わらせるということを身につけるためには、普段の仕事において「普通に考えて終わらない」「完璧なものを作るのは時間的に無理だ」「寝たいからとりあえず終わらそう」にような状況と体験が必要なのかもしれません。
無駄を排除する近道となる
『捨てる。手を抜く。考えない。』にはこれって無駄だよっていう行動や考え方のヒントが多く書いてあります。5年も10年も働いている人からしたらそうだよねって話が多いのですが、新卒とかそこまでキャリアのない人にとっては自分の環境で当たり前とされている無駄を見直すいいきっかけになるのではないでしょうか。
という下書きがあったから更新しておくよ