『THE MODEL』がマーケ/インサイドセールスの必読書だった【ザ・モデル】

2019年4月8日マーケティング

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

 

使い古されたリストへ上から順番に電話をかけまくったり無差別に迷惑DMを送り続けるような営業マンもいまだに健在ですが、それでも徐々に「この営業って非効率じゃない?」と人々は気づき始め、営業を管理する技術や仕組みが進化しています。

また世の中のサービスが「製品からサービス」「所有から利用」とサブスクリプション化が進み、それにともないSaaSのサービスが増加しているという傾向もあります。SaaSの重要な指標は会員獲得とチャーン(解約/離脱)を下げることなのでカスタマーサクセスの重要性が語られることが多くなってきました。

この周辺の知識は今後必須の知識だろうなとぼんやり考えていたところに、インサイドセールスやカスタマーサクセスの全体像を解説する良書があるということで『THE MODEL(ザ・モデル)』を即購入してみました。

THE MODEL(ザ・モデル)概要

「営業が顧客に初めて接触するとき、すでに商談プロセスの半分以上は終わっている」
セールスされないと情報がなかなか手に入れられなかった時代とは異なり、現在は顧客自らがサービスのリサーチや比較検討をできる状況が非常に多くなっています。こういった環境においては今までのプッシュで行う営業スタイルが通用しないことが発生しています。

本書『THE MODEL(ザ・モデル)』は「マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセス」の一連の役割と分業化のメリットを基本から丁寧に説明しながら、SFA、MAがなぜ重要なのか?なぜ分業化が効率化できるのか?なぜ売上が増えるのかについて考えるための一冊です。

著者の福田氏は、日米のオラクル、セールスフォース・ドットコムからマルケト日本法人代表とSaaSのど真ん中を走ってきた方なので、SaaSについて知ろうと思ったらまず本書は読んでおいていいのではないでしょうか。

なぜ営業を分業するのか?

一般的に日本での営業の業務というと「アポをとって資料を作って訪問して契約してもらうまで」というものではないでしょうか。また時にはアポ取りから訪問のようなフィールドセールス、問い合わせ対応と契約後のクライアント対応を1人で行うような会社や業種も存在します。

一方で営業をシステム化・効率化しようとする企業はこのフローを分解分業します。分業の主なメリットとはこの本ではこのように説明されています。

分業のメリットとは、最終的な売上だけを見るのではなく、各プロセスを担う部門のパフォーマンスを評価する中間指標を設定し、どこがボトルネックになのかを把握し、すぐに対策が打てること

確かに個人のそれぞれがリード獲得からセールス、フォローまでやっているとどこがいいのか悪いのかが判断できないため改善点が見えてこないんですよね。組織として改善すべきボトルネックがわからないということは、どうしても個々人の能力に依存する気合い営業になってしまいます。

ナーチャリングとリード管理の重要性

MAやSFA、CRMといったツールや管理手法の導入は効果がありそうだというのは直感や雰囲気でもわかると思いますが、下記の点で重要性が理解できます。

新規リードの65%は見込み客

資料請求や問い合わせといった反響のうち半分以上はナーチャリングが必要であるということです。「ナーチャリングが必要」というのは「顧客になる可能性はありが今すぐではないので継続的なアプローチが効果的である」ということです。

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具体的に検討をしていてすぐに商談に入ることができるのはリードの10%程度ということも少なくないので、それ以外のナーチャリングが必要なリードの65%ある見込み客をどうやって商談まで管理するかといった点が重要であり、65%のリードは時間がかかっても戻ってくる可能性があるということです。

リードのリサイクル

またセールスにおいて重要なこととして新規リードの数は無限ではないということもあげられます。対象とする業界やサービスによって異なりますが、商談に発展する新規リードは同じ金額で永遠に獲得し続けられるわけではありません。下記のグラフは月間のリードが100件、商談化率が20%、受注率が30%の営業チームにおけるリード数と受注件数、失注・未商談リードのイメージです。

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月間リード100件のうち6件を受注しても、94件は失注や未商談になります。 この失注と未商談リードには今後新しくコストをかけずに商談を獲得できる機会があります。 すぐに商談になるリードと契約を目指すことも大事なのですが、同時にこの失注や未商談リードに適切なアプローチをとることが効率的な営業チームを作ります。

アプローチの対象が無限にあるような商材の場合は、安い労働力でコールドリストに架電し続けてもいいのかもしれませんが(迷惑なのでやめましょう)、そうではないほとんどの業種においては未商談管理が営業効率を飛躍的に向上させるポイントになりそうです。

ボトルネックを見つける

分業化とシステム化の目的は、ひとつしかないボトルネックを見つけ出すためにパフォーマンス指標を管理することであって、これはこの本でも紹介されている名著『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』でも同じようなことが詳しく解説されています。計測・数値化できていないものは改善ができないので、分業化の目的はボトルネックを見つけることであるというのは確かにそうですよね。

 

またセールスの分業は、インサイドセールスからEBR、AEというキャリアのなかでのセールス教育といった人材育成やキャリアパスの機能も備えています。「営業職は学生に避けられる/ 人気がない」といわれていますが、それは無意味な飛び込み営業や電話営業、駅前での名刺交換訓練のようなものを指しているので、こういった科学的なセールスとそれによって得られるスキルのようなものを訴求するとまともな営業職であれば人集まると思うんですけどね、、

SaaSやインサイドセールスに関しては基礎から中級くらいまでの本なのかもしれません。それでも周辺知識を一気に体系的に学べるという点で本書はセールスの管理・マネージャー職やマーケティングに関わる人は読んでおいて間違いなさそうな本です。

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

 

この本でも引用されている名著

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

  • 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2001/05/18
  • メディア: ペーパーバック
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