『これからの「売れるしくみ」の作り方』でマーケティングを考える
こちらもいつか本紹介の記事かなんかで見て購入していた本。マーケティングやプロモーション提案に関しては広告代理店の人たちの考え方や経験、努力って圧倒的なのでこのあたりの発想力的な本をまとめて購入していたんですね。
この本は2015年に書かれた本なのですが、2019年の現在でもずっと言われているような内容にこの頃から言及検討している。「広告で売れるのか」というところから、今後の消費者とのコミュニケーションはどのようにしていくべきなのかに関する「答え」ではなく「考え方」の本。博報堂のクリエイティブ子会社である博報堂ケトルの仕事の進め方や考え方からこれらを探っていく。
「消費者(買い手)」だけを見ていればいい時代は終わった——。
「買い手」「売り手」「つくり手」をつなぐコミュニケーションで「売れる」を目指す!
SP出身、注目の若手クリエイティブディレクターが考える、これからの広告コミュニケーションのあり方。
これからの「売れるしくみ」のつくり方 SP出身の僕が訪ねた、つくり手と売り手と買い手がつながる現場
- 作者: 石原篤
- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2015/10/13
- メディア: 単行本
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企画するときは関係者を見る
テレビCMなどのマス広告を打てば売れる時代ではなくなってきていることは誰でも感じるところです。こういった時代にプロモーションを成功させるためにはそれ自体を増幅させる仕組みが必要です。これは仕掛ける側もそうですし消費者側にも当てはまることです。特に仕掛ける側でこれを考えるということに気づきがあり、この本に登場する「本屋大賞」はこれがわかりやすい例です。
本屋大賞が普及するメリットは本を売ったり売り場を作る書店にも、読者から正しく評価されたい作家にも、本当におもしろい本を選びたい読者にも取次にも出版社にもどのプレーヤーあります。そうするとこれらの登場人物は自発的にこのキャンペーンの拡散に貢献することになります。ここでの重要な点は、広告やPR単体ではなく、その背景にあるビジネスの仕組みを見るというものです。
コミュニケーションのストーリーと予測能力
ケトル代表の嶋さんが言っていたそうです。
コミュニケーションに携わる人間は、その商品を手にとったときに消費者はどう思うか、流通の担当者が商談でどう感じるか、記者発表会をしたら記者にどう描かれるか・・・。商品に関係する人たちの思惑や事情をいかに予測してつなげていけるかがまずは大事なんだよ。
商品やサービスのコンセプトや目標を確認したら全体のコミュニケーションプランを作ります。その際に必要なのがストーリーの予測能力です。こういう発表をするとメディアはどう反応するのか?それを読んだユーザーはどう感じるか・SNSに投稿するのか?購入したあとに誰かに伝えるか?この予測能力が「売れるしくみ」づくりに必要不可欠な視点だそうです。そう考えるとすさまじい量の経験をしないと瞬時に予想って不可能ですよね、、、
「売れるしくみ」をつくるために
1時間くらいで簡単に読める本なんですが得られるものがありました。これから自分のビジネスでもクライアントワークだとしてもこのあたりを意識していこうかなと感じました。
マーケティングをストーリーに分解する
マーケティング事例をストーリーに分解する訓練はおもしろいのではと考えています。キャンペーンやPRに関してどういうコミュニケーション的な試みがあったのか、こうしたほうがよかったのではないか?を訓練しておけば、なにかプランを出さなければいけないときの筋トレになりそうです。できれば成功したものも失敗したものも検証したいのですが、失敗したマーケティング事例ってなかなか出てこないので難しいですね、、
手段は変わってもインサイトは変わらない
テレビや雑誌などのマス広告からネットやSNSのターゲティングされた広告、PRのように広告側の手段は常に変化しています。社会や生活環境に合わせてスマホが強くなったり動画が大きくなったりと手法は動き続けます。
しかし消費者のインサイトは変わっていません。数十年の単位で見れば変化しているかもしれませんが、ここ数年や今後は食べることに困るような社会ではないということは変わりません。インスタ映えは新しいインサイトのように見えますが、旅行を自慢したい、かわいいと言われたい、いいものを他人におすすめしたいという点では変わっていません。変わっているのはデバイスなどの手段のほうです。
クライアントをコンテンツ化してつなぐ
「クライアントをつなぐ」ことで付加価値が出せるとマーケティング/広告の会社として一歩抜けられるかなと感じました。注意しなければいけないのは「クライアントを紹介する」みたいなこととは完全に異なるということです。取引先を紹介するとかそういう話ではなく、クライアントをとことん理解して全員にメリットのあるコラボや使い方をしていくということです。これは会社としても個人としてもやっていきたいものです。
マーケティングやプロモーションに関しては広告代理店の考え方ってめちゃくちゃ参考になるので、もう過度な労働は真似したくないですがこういう点はゆるく取り入れていきたいなと思いますよね。
これからの「売れるしくみ」のつくり方 SP出身の僕が訪ねた、つくり手と売り手と買い手がつながる現場
- 作者: 石原篤
- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2015/10/13
- メディア: 単行本
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