ファイナンス思考での意思決定は成果を10倍変える『ファイナンスこそが最強の意思決定術である。』
ムーンショットとファイナンスの共通点
10%の改善より10倍よくするほうが簡単なことがある。 これがアポロ計画の月面着陸のような一見無理だと思うようなことを一足飛びで達成することなんだけど、企業経営におけるファイナンスとはそれに近いものがある。
『ファイナンスこそが最強の意思決定術である 』はM&Aの専門家で連続起業家である筆者が現実的に金を稼ぐためにはどうすればいいかやってたどり着いた内容なんだけど、確かにお金ってお金から生まれてるんだよね。(孫社長の凄さってファイナンス力だよね)
AI時代においても意思決定をするのと責任を取るのは人間の仕事
AIに仕事を奪われる論が盛んですが(そもそも奪われたほうがいいじゃないかと思うんだけど)どこまでAIが可能なのか、意思決定もAIができるかというとそうでもなさそう。というか人間による意思決定は望まないんじゃないか。
技術的には今日の晩御飯をAIに任せたり結婚相手をおすすめしてもらうことは可能なんだけど、おすすめするのと決定するのには大きな隔たりがあるように感じる。なんかいいとかなんか嫌だとか不確実で曖昧なところが人間だからね。
ファイナンス的思考をどこで使うか
筆者のファイナンスの定義とは「モノの値段を考え、意思決定すること」
値段、価値は人それぞれ違うから面白いんだけど、価値に時間の軸を足して計算しようとしているのがファイナンスの考え。
大きな意思決定を行うことに価値(金)が伴うのだとしたら、その代表的なものである事業や会社の売買含めてファイナンス的な思考が必須になる。
M&Aの専門家じゃなくても、起業家であればどの事業をやるのか、いくらで売却を目指すのかできるのか、ストックオプションをどう設計するか、起業じゃなくて個人だとしてもどこで働くのかにおいてここを考えておかないと大きな失敗をすることになる。
労働量は収入に繋がらないよ
世の中全然そんなことはないんだけど仮に収入は成果に比例するとしたときに重要なことは、
× どれだけ多く働いたか
○ 仕事のどの部分に力を注ぐのか?労働をどこに振り分けるのか?(リソースの投資)
みんなが田んぼで米を育てている社会ならば、隣の人の1.5倍働けば1.5倍の米を収穫できそう。(実際にはそうもいかないだろうし、道具を改良して生産性を飛躍的に上げる賢い人も出てくる。)
しかし労働した量と成果が比例しない社会では、働かずに裕福な人もいれば残念なことに忙しくて低収入な人も存在する。
能力やスキル、お金自体が基本的に自然に膨張していくものなので差が広がっていくことは自明で、これを抑制しようとするのは健全ではない。
だからこそ個人としてどの業界を選ぶのか、どの会社を選ぶのか、どのスキルを身につけるのか、がめちゃくちゃ重要。
ファイナンスとイシューを明確にすることの共通点
ここでイシューと言ったのは大人気『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』での問いのこと。
日常の仕事においては、売上を10倍にできないか?効率を10倍にできないか?性能を10倍にできないか?10倍早く終わらせられないか(やらなくていいものはなにか)、10倍伸びる市場はどこか?
個人の生き方としても余暇時間を10倍にできないか、収入を10倍にできないか、10倍社会にインパクトのあるものはなにか?を考えて選択をしていくのがよさそう。
日常の中でいま考えていることのイシューの大きさを意識すれば、どうでもいいことに時間を使うことも減り、頑張っていることが全体から見れば大したことではないということがわかる。
まとめ的メモ
・AIは責任を取れないから決断は人間がする必要がある
・ファイナンスはハイリスクハイリターンをローリスクハイリターンにすることができる
・意思決定が正しかったかは最後までわからないが、質の高い意思決定をし続けることで点と点が線になる
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