従業員数を増やすことに意味なんてないんだから『小さなチーム、大きな仕事』

2019年4月17日読書・書評

「小さなチーム、大きな仕事」はだいぶ前に読んでいるんですが、最近『NO HARD WORK!』を読んだのもあって久しぶりに押し入れから取り出してきました。

「小さなチーム、大きな仕事」のなかから今だからこそ響くものを忘備録的にメモしておきました。

よい仕事のために身軽でいる

よい仕事をするためには小さなチームでいることが必要になります。もちろんなにかをするためには大きくならないこともあるのですが、ほとんどのケースでは意味もなく大きくなること、右肩上がりを目指しているだけです。意識しないと組織は大きくなり、規則は増え、調整に時間がかかりと小さな組織でも大企業病のような症状を発症します。

そのためには長期契約、過剰人員、固定した決定、会議、鈍重なプロセス、在庫、長期ロードマップを意識してできるだけ避ける必要があります。

検討ではなく決断する

できるだけ「これについて考えよう」ではなく「これについて決断を下そう」と思うことだ。

実感としても「考える」という仕事は目的が決まっていないので無駄に時間を使う気がしている。スケジュールを組んだりタスクを作るときに、〇〇について検討ではなく〇〇の何を決定にする工夫は今日から取り入れられそう。

変わらないものに目を向ける

小さなチームで安定した事業を行うにあたっては”変わらない価値”を提供する必要があり、流行に乗りすぎてはいけない。Amazonは買い物を便利にしていて、Googleは情報収集、Appleは人をクリエイティブにすることとエンタメだし、欲求の本質は変わらないのにテクノロジーありきで考えると間違えそうです。

ドラッグの売人は無料サンプリングを行う

ドラッグの売人は1回でも使ってもらえれば顧客が離れないことを知っているので、初回は少量を無料で提供することがある。現在では商品のサンプリングでもwebサービスでも最初は無料のフリーミアムみたいなモデルが多くを占めている。

サービスがすばらしいもので自信があるならば先に少量を無料で提供することはどんな商品でも取り入れることができる。コンサルだって1ヶ月無料でもいいかもしれないかもしれない。またその際に無償で提供するものは熱中してもらえるもの、手放せなくなるようなものであることが理想である。

読むたびに理解できる不思議な本

5年以上前に読んだときはしっかりこなかったけど、今読んでみるとすごく理解できる不思議な本だと感じた。本書は自身でも明言しているように、統計や分析に基づいた学術的な本ではなくてあくまで筆者らの経験則と予想で成り立っている。しかしさらに5年10年進むとこれが当たり前の世の中になっている気がする。

持続的で利益の出るビジネスを行っていればそれが大きかろうと小さかろうと誇るべきことなのだ。

『小さなチーム、大きな仕事』

大きいのを善とする企業感も、企業から人間が中心になることでだいぶ変わってきている。Instagramが社員数13人でFacebookに買収されたように数人で世界を変えるプロダクトやシステムを作っていくのが2020年代以降のスタンダードになっていきそうです。

「小さなチーム、大きな仕事」の続編「NO HARD WORK!」について↓

2019年4月17日読書・書評