『NETFLIXの最強人事戦略』がカルチャー作りの参考になりすぎた【まとめと書評】

 

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

 

DVDの郵送レンタルから、映画のストリーミング配信、オリジナル・コンテンツ制作へとビジネスモデルを変化させ、驚異的な成長を続けるNETFLIX社。現在の時価総額は1700億ドル以上、世界190カ国以上で配信事業を展開し、総会員数は1億人以上、ピーク時では全米のインターネット帯域幅の3分の1を占めている。同社がわずか20年のうちに驚くべき業態進化と成長を遂げた秘密は、型破りな人事制度に支えられたカルチャーにある。本書は、長年NETFLIXで最高人事責任者を務めた著者が、不確実な時代に生き残りと成長を目指す企業のために、その刺激的な戦略の精髄を示すものである。

今年ベストテン入りのおもしろさ

またおもしろい本を読んでしまった。『NETFLIXの最強人事戦略』はNetflixの特異な企業文化を解説しながら今後の企業のカルチャー作りのヒントになる良書。NETFLIXはアメリカで(世界的にも)最も平均年収が高い企業ということでも有名ですが、NETFLIXがそうする理由や会社が提供するもの、社員に求めるものは明確でそれが余すことなく説明されています。Netflixの企業文化は一般に公開されており、下記から読むことが可能です。

Culture At Netflix | Netflix Jobs (英文)

【翻訳】「シリコンバレーから生まれた最高の文書」と絶賛されたNetflixのカルチャーガイド全文 - BppLOG

この本は採用手法やテクニックを紹介する本ではなくて「NETFLIXというカルチャー」「組織のカルチャー作り」に関する本なので、企業で人事をやっている人というよりは起業家や採用をする必要があるマネージャーが読むべき本だと感じました。

GoogleやNetflixのカルチャーや組織を紹介する本は多数存在しそれらそのまま入れても効果はないのですが、現代の企業運営における組織づくり、カルチャー作りの参考にできるところはないかという視点でまとめてみました。

Netflixの自由と責任の文化

Netflixの採用の大原則としては『ハイパフォーマーだけを採用する』ことであり、この理由としてはハイパフォーマーが高いパフォーマンスを発揮する条件は『優秀な同僚と明確な目的意識、達成すべき成果の周知徹底』があることで「適切な人材が揃ったチームで尊敬しあえる同僚たちと力を合わせて解決すること」であるとしています。企業のやるべきことは「目的を作ること、それ周知徹底させること」そしてそれをすべてを公開して理解してもらうことになります。

Netflixのメンバーが求められること

Netflixでは最高のメンバーに対して現在と将来もたらす価値から逆算された給与が提示されることで最高額の給与オファーがあるのですが、社員にも求められる基準や行動はもちろん高いものになります。成果に対する責任は当たり前ですが、さらにカルチャーに照らし合わせ適切な行動なのかが重要になります。

Netflixの社員は会社のカルチャーや組織の目的をすべてすぐに答えられる状態が求められます。これは優秀な同僚と明確な目的意識、達成すべき成果の周知徹底』というパフォーマンスを発揮できる大前提からのことです。

また意見がない人は必要とされておらず、意見に関してもその議論は事業と顧客のためなのか?個人や部署のためではなく会社と顧客のためなのか?という前提があります。

Netflixの採用の考え方

Netflixの採用活動ではハイパフォーマーだけを採用するという原則があることは紹介していますが、その他のベースとなる考え方があります。

  • 6ヶ月後の最高の理想の状態と今は何が違うのか?を考え、将来こうあってほしいと思うチームを作れる人材を今から採用する
  • 今のチームがこの先必要なチームになると期待してはいけない
  • 今の人材が成長して将来必要な職務を担えるようになると思い込むのはまちがい

組織マネジメントにおいて絶対正しいものというのはあまりないのですが、NetflixとNetflixの事業においてはこれが最善だと考えられているということです。「今の人材が成長して将来必要な人材になるわけではない」というのは日本の多くの企業から見ると少し冷たい気もしますが、急成長を除くのであればこれは完全に正しいわけです。

営業マンで成果を出した人が100人の営業マネージャーの能力があるわけではありませんし、経理担当が上場準備や資本政策を担当できるようになるのではありません。「今いる人」がベースなのではなく「企業や事業の目的達成」が軸であるということを明確にしています。これはいい悪いではなくそれこそ企業文化なので、例えばサイバーエージェントでは事業選択も「社員がやりたいか」が重視されていると言われます。

マネージャーと起業家は必読でしょう

Netflixカルチャーの共同製作者である元最高人事責任者であるパティ・マッコードは現在でも多数のスタートアップの人事や採用のコンサルティングを行っているそうです。もちろん業界や事業によって参考になるところは異なるのですが、Netflixのカルチャーを取り入れるのではなく、カルチャー作りとはどういうものかの示唆が多い本です。

"カルチャーフィットとは仲良くなれるくらいの意味であって、採用は会社が必要とする仕事に合致したスキルをもつ人材でなければいけない"

"給与は人事考課に連動させるのではなく業績だけに連動させる"

"業績にプラスの影響のない人事考課はやっても意味がない"

本書ではこのような記述もあるのですが、個人的にはこのあたりの考え方はすぐに生かせる部分だなと感じました。ハイパフォーマーを集めて高付加価値な事業を行っていくんだという場合には読んでほしいです。

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

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